Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あたまでっかち

あたまでっかち

下村 千秋

Leggi あたまでっかち di 下村 千秋 (しもむらちあき) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 17.773 caratteri · 36 schermate

Aozora Bunko

五

その日はいかにも初夏らしいお天気で、丘の上の新緑はほんのりかすみ、空も水もふっくらとふくらみ、かわずはねむそうにないて、なんともいえないいい気持でした。

しかしおかあさんはだまりこくって、さおをあやつっています。林太郎はぼんやりとゆくての村の方を見ていましたが、その頭の中ではこんなことを考えていました。

「やっぱりおれの頭がでっかちなので、なにか困ったことが起ったんだな。」

五

まもなくおっかさんのお里のおうちが見えてきました。若葉がふっくらとしげった木々のあいだに、大きなわら屋根が見え、それから米倉の白い壁が見えてきました。その白い壁は朝の日をうけて、あたたかそうに光っていました。

おっかさんはそれが見えてくると、いつもにこにこして元気よく船をおしだすのでしたが、きょうはその方を見ようともしません。下をむいたまま、たいぎそうにさおをあやつっているばかりでした。

林太郎は悲しくなりました。それで、ふなべりから手をのばして、水面に白く咲いているすいれんの花をむしってはすて、むしってはすてて、泣きそうになるのをがまんしていました。

やがて船は、米倉の下の岸へつきました。