Classici giapponesi con furigana
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あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいごかん)
あとがき(『宮本百合子選集』第五巻)
宮本 百合子
Leggi あとがき(『宮本百合子選集』第五巻) (あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいごかん)) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3313 caratteri · 7 schermate
の原稿を印刷にする前に内務省の内閲に出した。やがて、内閲から戻されて来た原稿をもって『文芸春秋』の編輯者が目白に住んでいたわたしのところへ来た。そして、当惑して原稿をさし出し、何しろ赤鉛筆のスジのところはいけないって云うんですが、ということだった。原稿をあけてみて、わたしはおこるより先に呆れ、やがて笑い出した。原稿には、実によく赤鉛筆がはいっていて、それは各頁、各行だった。赤鉛筆のとぎれているところをひろって読めば、そのところは、ただ「そうしているうちに」とか「であるはずなのに」という風な箇所だった。はじめから赤鉛筆を手にもって、べたスジをひくことにして読みはじめたものであることが一目瞭然であった。赤スジのないところには、文章さえのこっていないのだから、小説として発表が出来るわけもない。「その年」のようにおだやかな作品でさえもそういう取扱だった。即ち小説は一九三九年の九月にかいて十一月の中央公論に発表された「杉垣」が、禁止以来はじめての作品である。それまで、ちょっとした随筆を二三篇かき、その一つであった「清風おもむろに吹き来つて」という随筆がきっかけとなって、明治から現代までの文学史と婦人作家の研究にとりかかった。