Classici giapponesi con furigana
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あまりもの
あまり者
徳永 直
Leggi あまり者 (あまりもの) di 徳永 直 (とくながすなお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8421 caratteri · 17 schermate
兵さんはすごい目つきで私をにらめた。私は脅えながら肯いたのだった。
兵さんは畑下の土手かげに、うずくまると、さっき、山で拾って来た枯れ枝を集めて、どこで盗んで来たのか、マッチを出して火をつけた。それは本当に用意周到であった。
「マッチを持っていると、兵さん、お巡りさんにとがめられるだろう?」
私は母なぞに、何時もそう言って脅かされるままに、おずおずと兵さんに言った。
兵さんは返事もしなかった。そしてこのどろぼう少年はニヤリニヤリ笑い乍ら、恰度、暑さに萎えた草が、雨にいきづいた時のように、ゆっくりと味わうように、めらりめらり燃え上る焚火の下に芋を埋めながら、眼を細くした。
幼な心に、私は怖かった。
「誰か来たい? 兵さん?」
私は、そう言った。すると兵さんは、その例の眼をギョロリとさして、
「黙ってろ! どん百姓が何のかのと言うなら、山も野も原も焼き払ってやる!」
兵さんは、すごい文句を並べた。弱い、晩秋の陽に、黄色く霜枯れた、かややすすきが土手を一面に彩って、山のくろまで続いていた。野焼が山火事になった例は従来もあったのだった。
「兵さん、四郎ちゃんが来たぞ!」