Classici giapponesi con furigana
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あめんちあ
あめんちあ
富ノ沢 麟太郎
Leggi あめんちあ di 富ノ沢 麟太郎 (とみのさわりんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.594 caratteri · 83 schermate
この羅針盤の紛乱こそ人間の胸のなかへ挑まれる内心からの抵抗の動乱である。
この電流と稲妻との焦噪は、物理学上の実験とも合致する。
これは兎も角として、人間が自分一人で自慢出来るようになるのは、あの奇妙に角張った威嚇が存在するために外ならない。
人間は一種のマニアのポーズを持っている。
そのために彼等は人間らしく見えるのである。
そうして彼等は人生の矛盾を中和して行く技巧家である。
彼は何か纏めてみようと企てていたが、それは全く無益のことであった。
それどころではない。
彼は自分の陰謀者のたましいを見た。
この怕しさ、この苦しさ、この快さは、彼自身を悲しませなかった。
そうしてその陰謀者が逃げて行ったということは愉快に感じられた。
こんな思いに耽りながら彼はひょっくりと、十間とは離れていない杉森の間を透して、北向いにある墓地の最初の列の石塔が、部屋から洩れる電燈に、その半面を鈍く輝かしているのを見た時、自分のたましいがひやりと慄いたのを感じた。
そうして彼は日毎に見馴れすぎているこの墓地が、常と違って振向いても見たくなかったので、直ぐカーテンを引いた。
カーテンの環はかすかに軋んで、その響を消したと同時に、セピア色の染のはいったカーテンは、彼の眼を外界から遮ってしまった。