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Classici giapponesi con furigana

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あめんちあ

あめんちあ

富ノ沢 麟太郎

Leggi あめんちあ di 富ノ沢 麟太郎 (とみのさわりんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.594 caratteri · 83 schermate

Aozora Bunko

しかし彼自身の生活をいくらかでも古風なロマンティックにしてみたい癖のある彼には、そんなふうに思い迷うのが興味を惹かないこともなかった。

そうして彼は人間が生きると言うことは、嘘の殿堂を築くことに過ぎないと思いながらも、相談にならない幻想を抱いてみたくてしようがない。

その幻想にひたりきっている間、彼は自分が彼自身ではないもっと別のものになった気がしている。

それこそ偽善を上塗りする高貴と言うものではないかと考えるのであるが、そこからは絶えず天啓とでも言われるものが感じられるような気がしてならなかった。

そうなふうにこだわって行く彼であったから、その金の問題にしたところで、若しかしたら置き忘れたのであるかも知れないと、考えながらもそんな途方もないところへひきずられて行って、そこへ迷い込むのであった。

そうして彼はかなり部厚い書物のなかを札の形に切り抜いて、そこへその現金を隠して置くか、挟み込んで置くかしたのであろう。

それを彼はすっかり胴忘れしているのかも知れない。

こんな疑念が絶えず彼自身の心のなかを往来していた。

そのために彼は一層本気になって、その金の行方を探し求めたが、それは全く無駄であった。