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Classici giapponesi con furigana

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あめんちあ

あめんちあ

富ノ沢 麟太郎

Leggi あめんちあ di 富ノ沢 麟太郎 (とみのさわりんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.594 caratteri · 83 schermate

Aozora Bunko

しかし彼は――おれの敵はおれの油断を見すましているからには――と、自分の心へ向って、注意を怠らせまいとした。

そうして彼は自己催眠にでもかかっているかのように、何ごとにつけても、自分自身へ向っては、――「おれの敵」と言い含めてしまうのであった。

「おれの敵。

」

この言葉は彼の口を離れなかった。

そうしてこれは、彼の極く不健康な折の神経的の悪気体であって、彼の日常用いている器物へ附着し、時としてそれが極偏性の感応を作用しながらふとした機会で彼の皮膚へ触れ、何ごとか奇妙な副作用を起しているもののようであった。

それは神経的と言うよりも寧ろ肉体的のものであった。

肉体的憂鬱の圧迫を鼓動していた。

その波動が拡がるにつれて、すでに滅亡しているも同然な彼の心臓は顫えた。

何らの反動も起らなかった。

しかしその虚ろな心の臓のなかでは、目に見えてない盲目的な颶風が疾駆し廻っていた。

こんな時、彼は自分を奇妙な気持でいたわりながら、華かな群集の一団でも眺めるように、瞬間的にではあるが彼自身を顧みて呟くのであった。

「この不幸!」

この次にきっときまって叫ばれる言葉。

「何? 破廉恥漢、泥酔漢!」