Classici giapponesi con furigana
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あるかんぬしのはなし
ある神主の話
田中 貢太郎
Leggi ある神主の話 (あるかんぬしのはなし) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5116 caratteri · 10 schermate
水の男は地炉の傍にあがって酒を飲みだした。
「人間になったところで、たいしたこともない、このままで俺と何時までも旨い酒を飲もう」
勘作と水の男は、又三年ばかりの交りを続けたが、某夜水の男は又勘作に云った。
「今度こそ人間になる決心をした、人間になったら、お前さんの処へ来られる」
「どうして人間になる」
「夫婦喧嘩をしている者があって、女房の方が家を飛び出して来ることになっているから、それを引込むつもりだ」
「そうか、どこでやる」
「この傍へ来る、明日の晩の亥の刻じゃ」
翌晩になると勘作は、又水の男の云ったことが気になりだした。彼は亥の刻になると外へ出て湖水縁の路を歩いた。星の多い夏の夜であった。と、前方からばたばたと足音をさして走って来る者があった。勘作は星の光に透して見た。色の白い女が肌もあらわになって走っている。いよいよ家出女房であると思っていると、女はふと足を止めて水の中へ眼をやった。勘作は背後からそっと往って、今にも飛び込もうとしている女をしっかと抱き止めた。女は勘作の手を揮り放して飛び込もうとする。二人が争っているところへ女の所天はじめ隣家の者が三四人やって来た。