Classici giapponesi con furigana
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いしがおごる
いしが奢る
山本 周五郎
Leggi いしが奢る (いしがおごる) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.304 caratteri · 45 schermate
在来の借財を棚上げにすることで、そのために倒産する者さえ少なくなかった。――宮津のように地方の藩では、重臣と商人とのあいだに個人的な情誼もあるから、幕府でするほど非情にはできないであろう、しかしそれも程度によるので、ぬきさしならぬ場合となれば問題はべつであった。
保馬はこういうときに来たのである。対立する両者がなにを考えたか云うまでもあるまい、両者はそれぞれの立場から、保馬を籠絡し、宮津へ来た理由を知ろうとした。保馬のほうはいっさい無抵抗であった。相手が誰であろうとも、招かれればゆくし、どんなにはでな遊びでも拒まなかった。いかにも大身の育ちらしく、おっとりと任せきって遊び、進物を出されれば黙って受取った。
七月になった或日。島屋の手代に伴れられて望湖庵へいった。
「誰か一人きまった者のいたほうが宜しゅうございましょう」
手代の弥吉はそう云って、六人ばかり若い女を呼んだ。粒選りの仲居たちで、たいていもう馴染であったが、そのなかの一人が、保馬の顔を見てあっと声をあげ、袂でさっと顔を掩った。
「あらあら、ごらんなさいよ」とほかの女たちがみつけて囃したてた、「珍しいことがあるじゃないの、おいしさんが顔を隠したわ」