Classici giapponesi con furigana
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いなか、の、じけん
いなか、の、じけん
夢野 久作
Leggi いなか、の、じけん di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.535 caratteri · 78 schermate
それならば売った時の子供の年齢は……」
「ハイ。姉が十四の年で、妹が九つの年。それから男の子を見世物師に売ったのが五つの年で……。ヘエ。証文がどこぞに御座いましたが……間違いは御座いません。ついこの間のことで御座いますから。ヘエ……」
巡査はこの夫婦が馬鹿ではないかと疑い初めた。しかも、なおよく気をつけてみると、今一人の子供が女房の腹の中に居るようす……。
巡査は変な気持ちになって帳面を仕舞いながら、
「フーム。まだほかに子供は無いか」
と尋ねると、夫婦は忽ち真青になってひれ俯した。
「実は四人ほど堕胎しましたので……喰うに困りまして……どうぞ御勘弁を――」
巡査は驚いて又帳面を引き出した。
「ウーム不都合じゃないか。何故そんな勿体ないことをする」
というと、青くなっていた亭主が、今度はニタニタ笑い出した。
「ヘヘヘヘヘヘ。それほどでも御座いません。酒さえ飲めばいくらでも出来ますので……」
巡査は気味がわるくなって逃げるようにこの家を飛び出した。
「この事を本署に報告しましたら古参の巡査から笑われましたヨ。何でも堕胎罪で二度ほど処刑されている評判の夫婦だそうです。