Classici giapponesi con furigana
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いなか、の、じけん
いなか、の、じけん
夢野 久作
Leggi いなか、の、じけん di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.535 caratteri · 78 schermate
「ねえあなた。いい景色じゃないの……明日は早く起きてモーターボートで島めぐりをしてみない」
「……ウウン……凪いでいたら行ってみよう」
「……だけどコンナ村に住んでいる人間は可愛想なものね。年中太陽に晒されて、豚小屋みたいな処に寝ころんで……」
「ウーン。女でも男でもずいぶん黒いね。トテモ人間とは思えない」
「男はみんなゴリラで、女はみんな熊みたいに見えるわよ」
「ハハハハ、ゴリラかハハハ」
「ホホホホヒヒヒヒヒ」
すると、ちょうど網干場のまん中の渋小屋(網に渋を染める小屋)の蔭で遊んでいた子守女が二三人、鳴りを鎮めて二人の会話に耳を傾けていたのであったが、こうした言葉をきくと流石に憤慨したものと見えて、子供を背負い上げながら大急ぎで村へ帰って来た。そうして村の連中が夏祭りの相談をしながら、一杯飲んでいる処へやって来て、口々に忠実めかして報告した。
只さえ気の荒い外海育ちの上に、もういい加減酔払っていた若い連中は、これを聞くと一時に殺気立ってしまった。中にも赤褌一貫で、腕へ桃の刺青をした村一番の逞ましいのが、真先に上り框に立って来て呶鳴った。
「……何コン畜生……ごりらタア何の事だ……」