Classici giapponesi con furigana
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いなか、の、じけん
いなか、の、じけん
夢野 久作
Leggi いなか、の、じけん di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.535 caratteri · 78 schermate
そのうちに一かたげ眠ったお米はクサメを二ツ三ツして眼を醒ましたが、高い天窓越しに、薄暗く曇って来た空を見ると、慌てて子守のお千代を揺り起した。
「チョット。妾は洗濯物をば取り込まにゃならぬ。一足先に帰るけに、お前はあとから帰って来なさいよ。湯銭は払うてあるけに……」
お千代は濡れた手で眼をコスリながらうなずいた。お米はソソクサと身体を拭いて着物を着て、濡れた髪を掻き上げ掻き上げ出て行った。
それからお千代は又コクリコクリと居ねむりを初めたが、そのうちに鼻から湯を吸い込んで噎せ返っているうちにスッカリ眼が醒めてしまったので、ヤット湯から上って、まだねむい眼をコスリコスリ身体を拭いた。赤い帯を色気なく結んで表に出ると、長い田圃道をブラブラと、物を忘れたような気もちで歩いて帰った。
帰り着いてみるとお神さんは、又も西日がテラテラし出した裏口で、石の手臼をまわしながら、居ねむり片手に黄な粉を挽いていた。それでお千代も石臼につらまって、一所にウツラウツラしいしい加勢をしていたが、そのうちに四時頃になって夕蔭がさして来ると、山芋をドッサリ荷いだ亭主の金作が、思いがけなく早く、裏口から帰って来た。