Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うすゆきしょう

うすゆき抄

久生 十蘭

Leggi うすゆき抄 (うすゆきしょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.454 caratteri · 59 schermate

Aozora Bunko

風摩の大将を害めれば、どう祟るくらいのことは心得ているから、その辺のところは念入りに首尾をしておいた。夜更けなり闇夜なり、誰かに見られたかというような浅墓なお気遣いはご無用である。谷底から死骸が上っても、そういう態たらくのおいぼれだから、岩端につまずいてよろけこんだと思うだろう。背中の突傷にしても、何百とある傷の中から、これが新傷と見わけのつこうわけはない。だいいち、私のような若年者が風摩小太郎を手にかけたなどといったら、聞いたほうが笑いだすだろうなどと、子供のくせにませたことをいい、それで話の鳬をつけてしまった。

道益は気の利いた男を二人ばかり木賀へやってようすをうかがわせると、なるほど道長のいうとおり、供は一人いたが気の鈍い間抜けらしく、風摩の死体を駕に乗せ、なにもいわずに三島のほうへ下って行ったということで、やれやれと胸を撫でおろしたが、いちど痞えたおびえは去らず、府中で名の通った無法者を十人ばかり兵隊に雇いいれ、弓矢を持たせて見張りの櫓門へ追いあげた。しかしその後二年なんのこともなく、兵隊は毎日欠伸ばかりしていたのである。

さて、渡し舟は松原の磧に着き、行子は迎いのものといっしょに、府中の一色のほうへ歩いて行ったが、伊達なまでに悠揚とした床しげな青年が、糸にでもひかれるように後からついてくるのに