Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うずめられたかがみ

うずめられた鏡

小川 未明

Leggi うずめられた鏡 (うずめられたかがみ) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 5962 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

その死者は、学者が、骨格から判断して、まだ若い女であったとわかりました。

鏡は七面のうち、六つまで、さびきって、ぼろぼろにくさっていたけれど、どうしたわけか、ただ一面だけ、くもっているけれど、なお、いくぶん光をたたえて、あかるみへ出すと、ものの影さえ、おぼろげにうつるのでした。

「どうして、この一面だけが、くさらなかったろう?」

そのことが、みんなの、疑問となりました。

「おなじ、金属で造られたであろうに、どうして、この一つだけが、くさらなかったのでしょう。」と、役場の書記は、学者にむかってたずねました。このなぞは、たとえ、学者でも、すぐには、解くことができなかったのです。

そして、いく日かの後でした。博士は研究室の窓から、しばらくの間に夏らしくなった、外のけしきに見とれていました。

ひでりつづきのため、白っぽく、かわいたアスファルトの道は、すこしの風にも、ほこりをたてていました。そして、せわしげに歩いている人々の姿や、道ばたにならんでいるプラタナスの影が、ちらちらと道の上にうごくのが、なんとなく、わびしげにさえ見えるのでした。

研究室につとめている助手の小田さんは、また青年詩人でもありました。