Classici giapponesi con furigana
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おせん
おせん
邦枝 完二
Leggi おせん di 邦枝 完二 (くにえだかんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.074 caratteri · 148 schermate
そんなにお急ンならねえでも、おせんの返事は、直ぐさまお聞かせ申しやすが、ここは道端、誰に見られねえとも限りやせん。筋の通ったいい所で、ゆっくりお目にかけようじゃござんせんか」
「そりゃもう、いずれおまんまでも食べながら、ゆっくり見せてもらおうが、まず文の上書だけでも、ここでちょいと、のぞかせておくれでないか」
「御安心くださいまし。上書なんざ二の次三の次、中味から封じ目まで、おせんの手に相違はございません。あいつァ七八つの時分から、手習ッ子の仲間でも、一といって二と下ったことのねえ手筋自慢。あっしゃァ質屋の質の字と、万金丹の丹の字だけしきゃ書けやせんが、おせんは若旦那のお名前まで、ちゃァんと四角い字で書けようという、水茶屋女にゃ惜しいくらいの立派な手書き。――この通り、あっしがふところに預かっておりやすから、どうか親船に乗った気で、おいでなすっておくんなせえやし」
「安心はしているけれど、ちっとも速く見たいのが人情じゃないか。野暮をいわずに、ちょいとでいいから、ここでお見せよ」
「堪忍しておくんなさい。道ッ端ではお目にかけねえようにと、こいつァ妹からの、堅い頼みでござんすので。