Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おせん

おせん

邦枝 完二

Leggi おせん di 邦枝 完二 (くにえだかんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.074 caratteri · 148 schermate

Aozora Bunko

少しばかり思い余ったことがござんして、お智恵を拝借に伺いました」

「智恵を貸せとな。はッはッは。これは面白い。智恵はわたしよりお前の方が多分に持合せているはずだがの」

「まァお師匠さん」

「いや、それァ冗談だが、いったいどんなことが持上ったといいなさるんだ」

「あのう、いつもお話しいたします兄が、ゆうべひょっこり、帰って来たのでござんす」

「なに、兄さんが帰って来たと」

「はい」

「よく聞くお前の話では、千吉とやらいう兄さんは、まる三年も行方知れずになっていたとか。――それがまた、どうして急に。――」

「面目次第もござんせぬが、兄さんは、お宝が欲しいばっかりに、帰って来たのだと、自分の口からいってでござんす」

「金が欲しいとの。したがまさか、お前を分限者だとは思うまいがの」

「兄さんは、あたしを囮にして、よその若旦那から、お金をお借り申したのでござんす」

「ほう、何んとして借りた」

「いやがるあたしに文を書かせ、その文を、二十五両に、買っておもらい申すのだと、引ッたくるようにして、どこぞへ消え失せましたが、そのお人は誰あろう、通油町の、橘屋の徳太郎さんという、虫ずが走るくらい、好かないお方でござんす」