Classici giapponesi con furigana
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おせん
おせん
邦枝 完二
Leggi おせん di 邦枝 完二 (くにえだかんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.074 caratteri · 148 schermate
はねに近くなったって、お客は唯の一人だって、立とうなんて料簡の者ァねえやな。舞台ははずむ、お客はそろって一寸でも先へ首を出そうとする。いわば紙一重の隙もねえッてとこだった。どうしたはずみか、太夫の踊ってた足が、躓いたようによろよろっとしたかと思うと、あッという間もなく、舞台へまともに突ッ俯しちまったんだ。――客席からは浜村屋ッという声が、石を投げるように聞こえて来るかと思うと、御贔屓の泣く声、喚く声、そいつが忽ち渦巻になって、わッわッといってるうちに、道具方が気を利かして幕を引いたんだが、そりゃおめえ、ここでおれが話をしてるようなもんじゃァねえ、芝居中がひっくり返るような大騒ぎだ。――そのうちに頭取が駆け着ける、弟子達が集まるで、倒れた太夫を、鷺娘の衣装のまま楽屋へかつぎ込んじまったが、まだおめえ、宗庵先生のお許しが出ねえから、太夫は楽屋に寝かしたまま、家へも帰れねえんだ」
「よし、お花、おいらに羽織を出してくんねえ」
伝吉は突然こういって立上った。
二
「お前さん、どこへ行くんだよ。真ッ昼間ッからお見世を空けて出て行ったんじゃ、お客様に申訳がないじゃないか。