Classici giapponesi con furigana
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おせん
おせん
邦枝 完二
Leggi おせん di 邦枝 完二 (くにえだかんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.074 caratteri · 148 schermate
その換り、太夫が借りに来たにしても、もう二度と再び貸すことじゃないから、それだけは確と念を押しとくぜ」
「よう判りました。この上の御迷惑はおかけしまへんよって。……」
「はッはッはッ」と、今まで座敷の隅に黙りこくっていた松五郎が、急に煙管をつかんで大笑いに笑った。
「どうした松つぁん」
「どうもこうもありませんが、あんまり話が馬鹿気てるんで、とうとう辛抱が出来なくなりやしたのさ。――師匠、ひとつあっしに、ちっとばかりしゃべらしておくんなせえ」
「何んとの」
「身に降りかかる話じゃねえ。どうせ人様のことだと思って、黙って聴いて居りやしたが。――もし堺屋さんのお上さん、つまらねえ焼きもちは、焼かねえ方がようがすぜ」
「なにいいなはる」
「なにも蟹もあったもんじゃねえ。蟹なら横にはうのが近道だろうに、人間はそうはいかねえ。広いようでも世間は狭えものだ。どうか真ッ直向いて歩いておくんなせえ」
「あんたはん、どなたや」
「あっしゃァ松五郎という、けちな職人でげすがね。お前さんの仕方が、あんまり情な過ぎるから、口をはさましてもらったのさ。知らなきゃいって聞かせるが、笠森のおせん坊は、男嫌いで通っているんだ。