Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おもかげしょう

おもかげ抄

山本 周五郎

Leggi おもかげ抄 (おもかげしょう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.947 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

五

「女房に甘次郎」

の綽名にも耐えて強かったのだ。――源左衛門は心うたれて、

「いや佳きお話を承わった。亡き人へのそれまでの御愛情、未練どころか、却ってお羨ましゅう存ずる。慮外ながら――拙者も御回向仕ろう」

「忝のうござる、さぞ悦びましょう」

荒れ果てた部屋だが、塵ひとつ止めぬ行届いた掃除、源左衛門はそれにも、孫次郎の為人が察せられて、益々頼もしさを感じながら、経机の前に坐り、唱名しながら香をあげたが、ふと仏壇を見上げた時、

「――あ」

と低く声をあげた。仏壇に掲げてある小さな女の絵姿。暫く覓めていたが、

「是は御家内のお姿でござるか」

「はあ、同藩の朋友に絵心ある者がござって、戯れに描いた似絵が、――今は悲しい形身となって居ります」

源左衛門は頷いて、

「――ふしぎに、似ている」

ともう一度呟いた。

五

朝露がしっとりと庭の芝生を濡らしていた。杉の植込も美しい、爽かな秋の陽が、青柿に活々と輝いている。

「――是まで」

声をかけて孫次郎は木剣をひいた。

沖田邸へ通い始めてから早くも半月近くになる、今朝も早くから千之助を相手に烈しい稽古をして、ぐっしょり汗になった孫次郎、よき程にしまって、