Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おもかげしょう

おもかげ抄

山本 周五郎

Leggi おもかげ抄 (おもかげしょう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.947 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

突然のことで六兵衛は呆れた。

「でもそれあ……奥様のお体に合わぬ土地と仰言られればそれ迄ですが、残念でございますなあ。折角子供達も馴着いたところで、何処か良い医者にでもお診せなすったら如何でございましょう、また……」

「いやいや、気鬱と申す病は医薬よりも機嫌次第、気の向くままにしてやるのが何よりの養生でござる」

「では、奥様のお望みで?」

「笑止ながら、我儘者、望みのままに致してやり度いと存ずる……」

遉の六兵衛もくさった。

「そうでございますか、残念ながらそれでは達ってお引止めも出来ますまい、――それでは御意のままとして、何日お立ちなさいます」

「明早朝の積りでござる」

「どうも余り急なことで御挨拶の申上げようもございません、奥様には到頭お眼にかからず了いでしたが、道中お気をつけなすって、いずれ明朝お見送りを致します」

「いや折角ながら早立ちの旅、お見送りは固く辞退仕る――、長々お世話に相成った、御縁もあらばまたお眼にかかろうが、此方には呉々も御健固に」

挨拶が済むと孫次郎はすっと立去って了った。――この様子を店の奥から見ていた吉公が憤慨した。

「へっ、甘田甘次郎め」