Classici giapponesi con furigana
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おじょろうぐも
お女郎蜘蛛
宮本 百合子
Leggi お女郎蜘蛛 (おじょろうぐも) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.913 caratteri · 26 schermate
若い娘の命をとる事もまっしろな張のある体をめちゃめちゃにする事でも平気なかおでやってのける力をもった刀でさえ錦の袋に入った大店の御娘子と云うなよやかな袋に包まれて末喜の様な心もその厚い地布のかげにはひそんで何十年の昔から死に変り生きかわりした美くしい男女の夢から生れた様なあでやかさばかりを輝かせて育った娘の名はお龍と云う。十五六の頃からチラッと心の底に怪しい光りもののあるのを親達は見つけた。その光りものの大きくなった時に起る事も親達は想像する事が出来た。娘の心の中にすむ光りもののささやかに物凄いキラメキを見るにつけて年とった二親は自分達の若い時の事を考えさせられた。母親は十八の時親にそむき家をすててしょうばいがたきのここの家の今の主人の前にその体をなげ出した。自分の生れた家の「時」と云う恐ろしい力づよいものにおさえつけられて段々とのれんのかたむくのを思う男の店の日にまし栄えて行くのと見くらべて白い歯を出して笑った事等が新しい事の様に目前にくりひろげられた。「私達はこれから仇うちをされるんだ」二人は老いて骨ばった手をにぎってこんな事を思った。
お龍の心に住む光りもののひろがる毎にその美くしさはまして昔から話にある様な美くしさと気持を持って居るのを知ったのは二親きりではなかった。