Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おさかなじょし

お魚女史

坂口 安吾

Leggi お魚女史 (おさかなじょし) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9457 caratteri · 19 schermate

Aozora Bunko

ほんとに、すみませんわ。私、貧乏なんですもの、つらいですわア。あらア、ほんとに、まことに、恐れ入りましたわ。奥様もハッて下さいね。だって、奥様ア、私、ほんとに、つらいんですわ。ねえ、先生方、一回、お一人、五百円の賭け金よ。いゝですかアやりますよウ」

私の女房が、これ又、トンチンカンではオクレをとらないタチの女で、バカらしいことは、忽ち相好をくずして、一役買ってしまうのである。イソイソと紙入れをひらいて、五百円の束をつくって、

「あらア、もういゝの。えーと、コレダ」

「アラ、まだヨッ。キャーッ。ワーッ。まだ、まだ、キャーッ」

二人の女は忽ち目の色が変っているが、さすがに先生方は札束をおだしにならない。女房はフと気がついて、ノボセ気味にイソイソとお札を数えて束にして、

「ハイ、凹井さん、ハイ、般若さん、ハイ、弁吉さん」

損をするのは、私ばかりじゃないか。弁吉は札束を握ると、膝をのりだして、

「よウし。ボクが、もうけてやるよねえ。ハハハア」

「インチキはいけないよ」

お魚女史は凄い一睨みを弁吉にくれて、それから、とたんにニッコリと、片手に二ツ、片手に一つ、ピースの箱をとりあげた。