Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くろがねてんぐ

くろがね天狗

海野 十三

Leggi くろがね天狗 (くろがねてんぐ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8616 caratteri · 18 schermate

Aozora Bunko

「いや、それでは拙者も連れていってくれ」

「ならぬならぬ。魔物退治は是非とも拙者にお委せあれ」

というようなわけで、いつまで経っても衆議がまとまらない。すると中で一人がずいと進み出て、

「静まれ、静まれ」と両手を高く挙げて一同を制し「さように各々方が争っては、誰がゆくことに相成っても不服の残るは当然のこと。さて此処に、絶対に不服の残らず、その上ことの外面白い思いつきがござる。――」

と、一座をズーッと身廻わす。一同はワイワイとどよめいた。(早くそれを云え)と催促が懸る。

「では申そう」と憎々しいまでに勿体をつけて「――実は、各々方は誰方も此拠に足をとめて行かぬこととなさるので厶る。そしてこの興味ある討伐を、われ等の英雄にして、今夜随一の果報者たる花婿権四郎めに譲るので厶る。いかがで厶るナ?」

「名案じゃ」「名案、名案!」と、たちまち一せいに拍手があって、若侍は半分は好意的に、あと半分はいま紅閨にお妙を擁しているであろうことを岡焼的に、この緊急動議を決定してしまった。そして酒の激しい勢いでもってワッと立ち上ると、床杯をすませたばかりの別室に雪崩れこんだから、武士の名誉にかけてもうどうすることも出来なくなりました。