Classici giapponesi con furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Leggi ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 164.113 caratteri · 332 schermate
その月小夜姫からこの小夜の中山という名前がついたんでしょうね?」
と奥さんの一人が説を立てると、
「そうでございましょうよ。切り通しや広小路なんかよりも好い名前ね。趣味があって」
ともう一人が受けて、それを田鶴子さんが、
「物語から取った名前には何うしてもロマンチックな余韻がありますわ。殊に月小夜姫といえば何んな鈍感なものでも透き通るような美しい人を連想します。その小夜子さんの小夜ですもの詩的ですわ」
と至って学者らしく結論した。
坂を下り切ると菊川の里だった。鉄道開通のお蔭で東海道筋には却ってこの通り淋れてしまって、昔の格式を保ってゆけなくなった町が往々あるそうだ。山又山の谷底で、余り要害が好いものだから、文明の交通機関に全く敬遠されているのらしい。僕達はこの里の名所中納言宗行卿の墓を見た。
「これも昔こゝで殺されたお公卿さまです。この人の亡霊が俊基朝臣の亡霊を教唆して蛇身鳥刃の雉に化けさしたのですから、この石塊見たいな墓が謂わばこの辺の名所旧蹟一体の築源地です」
とお父さんは真面目な顔をして奥さん達に説明して聞かせた。
田舎箱根は車屋の誇張通り嶮しい坂道だった。