Classici giapponesi con furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Leggi ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 164.113 caratteri · 332 schermate
と一番後方から団さんが交ぜっ返した。実利家は何でも潰しの値段で来るから敵わない。
「坊ちゃん、この松原は蝉が多かろそなところですが、一つも鳴いて居らんでしょう?」
と僕の車屋は僕を小学生と認めた。
「成程、鳴いていないね」
と僕は耳を澄ました。
「これには面白い謂れがあります。昔太閤さんが此処をお通りになった時、蝉が鳴き居りましたのを『喧しか!』とお怒りになったと申します。それ以来虹の松原では夏の真盛りでも蝉は決して鳴きません」
「面白いね。海が近いから蝉が来ないのか知ら?」
と三輪さんが言っても、
「そんなことはございません。唐津公園では鳴き居りましたろうがな」
と車屋は何処までも関白の御威光の然らしめたところと信じ切っている。
「それは然うと馬鹿に長いね、この松原は?」
と団さんはソロ/\退屈して来た。
「長うございますとも。端から端までは一里八合ございます」
とこれは先刻松浦橋の長さを自慢した男だ。
「一里八合? 八合とは切り刻んで面白い言い方だね」
「九州では何処でも一里八合とか一里五合とかと言うよ。里程標にも然う書くぜ」
と三輪さんは熊本生れ丈けにこの辺の消息に通じている。