Classici giapponesi con furigana
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さかずきのりんね
さかずきの輪廻
小川 未明
Leggi さかずきの輪廻 (さかずきのりんね) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.603 caratteri · 21 schermate
それで、彼は、こんどは、正直な人間に売らなければならぬと思いました。
「りっぱな店を張っている骨董屋のほうが、かえって、人柄がよくないかもしれない。だれか正直そうな古道具屋を呼んできて見せよう。」
彼は、そう思いました。
彼は、出かけてゆきました。そして、耳のすこし遠い、声のすこし鼻にかかる、脊の曲がった男を連れてきました。男は、無造作に、毎日、ぼろくずや、古鉄などをいじっている荒くれた手で、彼の出した、金銀細工の飾りとさかずきとを、かわるがわる取ってながめていました。
「こちらの飾りだけを×××××でいただきましょう。このさかずきは、どうでもよろしゅうございます。」と、古道具屋はいいました。
彼には、このとき、ふたたび田舎にいる時分、近所の物知りのおじいさんが、「これは、たいしたものではない、ただ古いからいいのだ。」といった、その言葉が思い出されたのです。
文明のこの社会に生まれながら、昔のものなぞをありがたがるのは、じつにくだらないことだと、彼は簡単に考えたのであります。
「このさかずきも、つけてやろう。」と、彼はいってしまいました。
古道具屋は、それを格別、ありがたいとも思わぬようすで、金銀細工の飾りといっしょに持ってゆきました。