Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しじみがし

しじみ河岸

山本 周五郎

Leggi しじみ河岸 (しじみがし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.438 caratteri · 51 schermate

Aozora Bunko

高木は訝しそうな眼で彼を見た。

「なにかわけがあるのか」

「それはあとで話す」

「ふん、――」と高木は口をすぼめた、「あの係りは小森だったな」

「小森平右衛門どのだ」

「彼はうるさいぞ」と高木は云った、「彼は頑固なうえにおそろしく自尊心が強い、もし自分の吟味に槍をつけられたことがわかりでもすると、どんな祟りかたをするかもしれないが、いいか」

律之助は微笑した。

「それでよければ、考えてみよう、但しできるかどうかは保証しないぜ」

律之助は安心したように頷いた。

花房律之助はこの南(町奉行所)では新参であった。彼は町奉行所に勤める気はなかったし、父の庄右衛門も同じ意見だった。しかし父が死ぬときの告白を聞いて、彼は急に決心をし、母の反対を押し切って勤めに出た。死んだ父は二十年ちかいあいだ、町方と奉行所で勤め、死ぬまえの五年は北町奉行の与力支配であった。そのおかげがあったかもしれない、役所は南だったが、律之助は年番(会計事務)を二年やり、次に例繰(判例調査)、牢見廻りというふうに、短期間ずつ勤めたうえ、つい七日まえに吟味与力を命ぜられた。――高木新左衛門は父方の従兄に当る、年は五つ上の二十九歳であるが、早くから南に勤め、吟味与力として敏腕をふるった。