Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しじみがし

しじみ河岸

山本 周五郎

Leggi しじみ河岸 (しじみがし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.438 caratteri · 51 schermate

Aozora Bunko

六助はふてたように云った、「おら、なんにも云わねえ、もう口はきかねえから、しょびくなりなんなり好きなようにしてくれ」

「この野郎」と番太の一人が云った、「てめえ旦那に助けて頂いたのに、なんて口をききゃあがるんだ」

「のぼせてるんだ」律之助は濡れた両刀を持って、上り框のほうへ来た、「うっちゃっとけばおちつくだろう、済まないが懐紙と手拭を三本ばかり買って来てくれ」

彼はそくばくの銭を番太の一人に渡した。その番太はすぐに出ていった。彼は上り框に腰をかけ、土間の炉の火へ両手をかざした。

この自身番は三カ町組合なので、町役二人に番太が三人であるが、町役はどこかにもめ事があるとかで、二人とも留守だった。「呼んで来ましょう」というのを、律之助はそれには及ばないと断わり、やがて買って来た懐紙と手拭で、刀の手入れをしながら、三人の番太と暫く話した。

――おれの勘は当ったぞ。

彼は心の中でそう繰り返した。

――この男は誰かに頼まれた、誰かに頼まれておれを殺すか、少なくとも再吟味を妨害しようとしたんだ。

なにも饒舌らない、というのがその証拠であろう。彼は初め考え違いをした。