Classici giapponesi con furigana
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それから
それから
Leggi それから di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.794 caratteri · 347 schermate
ただ結婚に興味がないと云う、自己に明かな事実を握って、それに応じて未来を自然に延ばして行く気でいた。だから、結婚を必要事件と、初手から断定して、何時かこれを成立させようと喘る努力を、不自然であり、不合理であり、かつあまりに俗臭を帯びたものと解釈した。
代助は固よりこんな哲理を嫂に向って講釈する気はなかった。が、段々押し詰られると、苦し紛れに、
「だが、姉さん、僕はどうしても嫁を貰わなければならないのかね」と聞く事がある。代助は無論真面目に聞く積りだけれども、嫂の方では呆れてしまう。そうして、自分を茶にするのだと取る。梅子はその晩代助に向って、平生の手続を繰り返した後で、こんな事を云った。
「妙なのね、そんなに厭がるのは。――厭なんじゃないって、口では仰しゃるけれども、貰わなければ、厭なのと同なしじゃありませんか。それじゃ誰か好きなのがあるんでしょう。その方の名を仰ゃい」
代助は今まで嫁の候補者としては、ただの一人も好いた女を頭の中に指名していた覚がなかった。が、今こう云われた時、どう云う訳か、不意に三千代という名が心に浮かんだ。つづいて、だから先刻云った金を貸して下さい、という文句が自から頭の中で出来上った。