Classici giapponesi con furigana
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それから
それから
Leggi それから di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.794 caratteri · 347 schermate
「そうさ」
「三千代さんの心機を一転して、君を元よりも倍以上に愛させる様にして、その上僕を蛇蝎の様に悪ませさえすれば幾分か償にはなる」
「それが君の手際で出来るかい」
「出来ない」と代助は云い切った。
「すると君は悪いと思ってる事を今日まで発展さして置いて、猶その悪いと思う方針によって、極端まで押して行こうとするのじゃないか」
「矛盾かも知れない。然しそれは世間の掟と定めてある夫婦関係と、自然の事実として成り上がった夫婦関係とが一致しなかったと云う矛盾なのだから仕方がない。僕は世間の掟として、三千代さんの夫たる君に詫まる。然し僕の行為その物に対しては矛盾も何も犯していない積りだ」
「じゃ」と平岡は稍声を高めた。「じゃ、僕等二人は世間の掟に叶う様な夫婦関係は結べないと云う意見だね」
代助は同情のある気の毒そうな眼をして平岡を見た。平岡の険しい眉が少し解けた。
「平岡君。世間から云えば、これは男子の面目に関わる大事件だ。だから君が自己の権利を維持する為に、――故意に維持しようと思わないでも、暗にその心が働らいて、自然と激して来るのは已を得ないが、――けれども、こんな関係の起らない学校時代の君になって、もう一遍僕の云う事をよく聞いてくれないか」