Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】
佐藤 春夫
Leggi たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】 (『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ) di 佐藤 春夫 (さとうはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.182 caratteri · 48 schermate
みんなが心配をして、左平次を或る温泉にやる事にしたのです。一晩山の夜露に濡れていたから身体に障ったのだろうという医者の見立ての通りであったのか、温泉は大変ききめがあって、左平次は一日一日と恢復して来ました。
そうして、今は気も慥かになり、晩秋の畠の忙しい事を言い出して、看病に来ている倅夫婦を家へ帰したのです。倅達も、もう一人でも大丈夫になった老父に安心して、温泉場から帰ったのです。
さすが、一人になってみると左平次は、話相手もなく朝から退屈をしていて、何時も日がくれると直ぐに眠くなるのが、屈托のために反って頭が冴え、どうも眠れないのです。
そこで、もう一風呂浴びて来ようというので、お湯のあるところへ出かけて行ったのです。温泉宿といっても、孰れは山の中の小屋、浴室というのも自然の泉へ家根と囲をしてある程度のもので、湯殿は母屋から少し離れた所にありました。
馬の藁沓をあんでいた母屋の連中は、何とも分らない物音と一緒に湯殿の家根の落ちたような響を聞いたのです。
一同顔を見合せて暫く血の気を喪ったが、時を経て湯の方へ行って見ると、別段建物に変ったような事もなく、ただひっそりとした湯の側に左平次はぶっ倒れているのです。