Classici giapponesi con furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Leggi 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 118.470 caratteri · 244 schermate
総じて獣肉料理には、牛肉にも豚肉にも猪肉にも、牛蒡の味が内助の功を示すものだが、土の香の強い狸や熊には、殊に牛蒡の持つあの特有の香が、肉の味を上品にする役目は、大したものであると思う。
数年前、報知新聞社から北海道へ熊狩隊を派遣したことがある。そのとき撃ち取った羆を友人数名と共に、小石川富坂の富士菜館へ持ち込み、南支の広州からきた料理人の手にかけて、十数種類の支那料理にこしらえ、さまざまに試食したことがあったけれど、その折りのおいしさもさることながら、老妻の手にかけた月の輪熊の醤は格別である。
月の輪熊は、日本特有の種類である。本州の深山に棲んでいて体は肥満し、体の長さは二メートル近くにまで育つのがある。尾は短く、前肢も後肢も短い。そして、太い。五本の指にいずれも黒い長い爪を持っていて、それがなかなか有力だ。毛色は真っ黒で、胸に月輪形の大きな白斑を有している。巧みに樹上によぢのぼることができるけれど、ほかの獣類のように跳躍する術を知らないのは妙だ。
食いものは雑食性で、動物でも植物でも食う。冬になると自分で掘るか、または自然にできた崖下などの穴に入って冬眠し、毎年五月頃子を産むのである。