Classici giapponesi con furigana
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つぼみ
つぼみ
宮本 百合子
Leggi つぼみ di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.918 caratteri · 44 schermate
人に会うたんびにそのふところをはり出して「おれは財布をもってるんだ、偉かろう?」と云って見たかった。
「無駄づかいしなさんなよ」と銭を渡す時に云った母親の声を思い出してとまりかけたおもチャ屋の前を早足にすぎた。それと一緒に「何を買ったら無駄づかいじゃあないのかしら」と云う事が大学ノ入学試験よりもむずかしかろうと思われるまでに考えられて来た。
「本にしようかお菓子にしようかそれともおもちゃにしてしまおうか」
これだけの事がごっちゃになってその小っぽけな毛のうすい頭を行ききした。
新吉はこう思った。
「おれは今まで洋かんを一さおたべた事がないんだからそうしよう」
安心したように菓子屋の前で歩いた、そこには大人のしかも年とったお客さんが来て居た。
「ヨーカン一さおなんて……『おいやしな子だ』って云やしないかしら」
斯う思うとその人達が自分のふところに入って居るものを知って居て十銭玉の黒いのまでが見えてるんじゃあないかと思われて来た。そこを又居たたまれないように歩き出した。おもちゃも何を買っていいかわからなくなってしまった。本も店先からのぞいた所では自分にわかりそうなものがない。