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Classici giapponesi con furigana

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つゆのあとさき

つゆのあとさき

永井 荷風

Leggi つゆのあとさき di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.725 caratteri · 148 schermate

Aozora Bunko

」

日比谷の四辻には電車を待つ人がまだ大分立っている。

「今夜は節約して電車に乗ろうよ。」

二人は道幅のひろい四辻を歩道から線路の方へと歩み寄ろうとした時、横合いからぬっと二人の前へ立ちふさがった洋服の男があったので、二人はびっくりしてその顔を見ると、今日も午後にカッフェーへ来ていたダイヤモンドの矢田さんであった。

「まア、大変御ゆっくりねえ。どこで飲んでいらしったの。」

「送ってあげよう。」と矢田は円タクを呼びかけた。

「わたし、電車でいいのよ。お客様と自動車に乗るのはやかましいから。」と春代は体よく逃げようとすると、矢田は、度々その手を食っていると見えて、

「それァ銀座通のことじゃないか。ここまで来れば構やせん。僕が責任を負う。」

「あなたも節約して電車になさいよ。矢さん。」と君江は丁度来かかった赤電車の方へとすたすた行きかけたので、矢田はとやかく言っている暇もなく、二人の後について新宿行の電車に乗った。

案外すいている車の中には、二人の知らない他の店の女給が三人ばかりに、男が五、六人。いずれも居眠りをしている。半蔵門を過ぎて四谷見附に来かかる時まで、矢田はさすがにおとなしく、連れではないような風をして口もきかずにいたが、君江が春代を残して一人車から降りかけるのを見るや否や、あわててその後について来て、