Classici giapponesi con furigana
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とかげ
とかげ
室生 犀星
Leggi とかげ di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2977 caratteri · 7 schermate
可憐らしい遊びようをしている。が、わたしは何時の間にか、尾のないとかげが非常にからだの調子が取れなくて、歩きにくそうによちよち歩いているのを見た。そしてわたしの考えは気の毒な気がしたのだった。まるで他人がしたことのように思われるほど、先刻のわたしのしたことを遠い時のように思われた。「一たい夏の永い日にあったことと言うものは、永い日自体から忘れやすいものだ。朝のことが昨日のことに思われるから妙だ。」わたしはそう考えて、一杯の茶を庭のものかげで飲んだ。「例えばわたしが先刻あいつの尾を切ったときに、何か知ら悲壮な物哀しさを感じたが、いまはその考えが深増さるばかりではないか?――」そうわたしはまた考えた。
翌日もわたしは可憐らしいとかげの遊びを見た。六七疋ずつ散らばって何かを※っている姿が、一昨日よりも深く心に長閑にかんじられた。その中の一疋の尾のない奴が雑っているのが、わざとわたしの眼前をしずかに通りすぎた。
「気の毒なことをした。」
わたしはそう言って、わたしらしい良心を呼びさまし、そのことによって慰められようとした。かれはかれらしい無邪気さで、青い鬼であるわたしの眼の前を平気で歩いている。