Classici giapponesi con furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Leggi とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) di 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.729 caratteri · 371 schermate
その安全燈の一つが所属不明で転っていたと云うのであるから係長の顔は瞬間固くなった。
「何番だ?」
「はの百二十一です」
「はの百二十一?」
監督が首を傾げた。係長は炭車から飛び降りると、運搬夫へ顎をしゃくっていった。
「見張所へ行って、はの百二十一の坑夫は誰だか、直ぐに聞いて来てくれ」
「こういうゴテゴテした際に」監督が乗り出して云った。「こんなだらしのないマネをする奴がいるから困る」と坑夫へ向って、
「いったい、何処で拾ったんだ」
「水呑場の直ぐ横に、置き忘れたように転っていました」
水呑場――とは云っても、自然に湧き出す地下水を水甕に受けているに過ぎなかった。それはこの片盤では、突当りの坑道にあった。そこは片盤坑道の終点になっていて、そこには穴倉や一寸した広場もあった。広場には野蛮な便所もあった。坑夫達は口が渇くと、勝手にそこへ出掛けては水を飲んだ。
「置き忘れただって? よし、その坑夫が判ったら処罰するんだ」
監督は苛立たしく呶鳴りつけた。係長は、そこらにうろうろしている運搬夫たちが、皆んな安全燈を持っているかどうかと見廻わした。むろん誰れも闇の世界で光を忘れているものはなかった。