Classici giapponesi con furigana
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ひょっとこ
ひょっとこ
Leggi ひょっとこ di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5838 caratteri · 12 schermate
酔っているのは一時で、しらふでいるのは始終である。そうすると、しらふでいる時の平吉の方が、ほんとうの平吉のように思われるが、彼自身では妙にどっちとも云い兼ねる。何故かと云うと、平吉が後で考えて、莫迦莫迦しいと思う事は、大抵酔った時にした事ばかりである。馬鹿踊はまだ好い。花を引く。女を買う。どうかすると、ここに書けもされないような事をする。そう云う事をする自分が、正気の自分だとは思われない。
Janus の云う神様には、首が二つある。どっちがほんとうの首だか知っている者は誰もいない。平吉もその通りである。
ふだんの平吉と酔っている時の平吉とはちがうと云った。そのふだんの平吉ほど、嘘をつく人間は少いかもしれない。これは平吉が自分で時々、そう思うのである。しかし、こう云ったからと云って、何も平吉が損得の勘定ずくで嘘をついていると云う訳では毛頭ない。第一彼は、ほとんど、嘘をついていると云う事を意識せずに、嘘をついている。もっともついてしまうとすぐ、自分でもそうと気がつくが、現についている時には、全然結果の予想などをする余裕は、無いのである。
平吉は自分ながら、何故そう嘘が出るのだかわからない。