Classici giapponesi con furigana
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ふしぎないわ
ふしぎな岩
林 芙美子
Leggi ふしぎな岩 (ふしぎないわ) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 3676 caratteri · 8 schermate
ふしぎな岩は、あまり、タローがほえるので、何ごとがあるのかと、
「タロー君、いったい、この真夜中に、どうしたというンだい?」
と、声をかけました。
タローはびっくりしたようすで、ふっと、ふしぎな岩をながめました。
「私はここのとんび岩だよ。わかるかね?」
と、たずねますと、タローは急にしっぽをきつく振りたてて、
「ああ、とんび岩のおじさんかね。私はまたテングさまが声をかけたのかと思ったよ。」
と、なつかしそうに、岩の方へよって来ました。
「どうして、ここへ来たのかね?」
と、もう一度、とんび岩がたずねました。
「月のいい晩はここから海が見えるンだよ。急にね、人間に飼われているのがいやになって逃げだしたくなったンだ。だから、夜になると脚をじょうぶにして、あの海の向こうの方へ逃げ出して行ってみたいと思って、今夜も森の方へ出て来てみたのさ……」
と、いいました。
「ああ、そんなことかね。おれもね、実は、ここに長いことこうしているのにあきあきしちまって、なんとかいいところへ行ってみたいものだと思っているのさ……」
とためいきまじりにいうのです。
「ほんとうにどうして、ぼくたちは自由に方々を、人間みたいに行きたいところへ行けないのだろう……。