Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みみずくつうしん

みみずく通信

太宰 治

Leggi みみずく通信 (みみずくつうしん) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5850 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

会場からまた拍手に送られて退出し、薄暗い校長室へ行き、主任の先生と暫く話をして、紅白の水引で綺麗に結ばれた紙包をいただき、校門を出ました。門の傍では、五、六人の生徒たちがぼんやり佇んでいました。

「海を見に行こう。」と私のほうから言葉を掛けて、どんどん海岸のほうへ歩いて行きました。生徒たちは、黙ってついて来ました。

日本海。君は、日本海を見た事がありますか。黒い水。固い浪。佐渡が、臥牛のようにゆったり水平線に横わって居ります。空も低い。風の無い静かな夕暮でありましたが、空には、きれぎれの真黒い雲が泳いでいて、陰鬱でありました。荒海や佐渡に、と口ずさんだ芭蕉の傷心もわかるような気が致しましたが、あのじいさん案外ずるい人だから、宿で寝ころんで気楽に歌っていたのかも知れない。うっかり信じられません。夕日が沈みかけています。

「君たちは朝日を見た事があるかね。朝日もやっぱり、こんなに大きいかね。僕は、まだ朝日を見た事が無いんだ。」

「僕は富士山に登った時、朝日の昇るところを見ました。」ひとりの生徒が答えました。

「その時、どうだったね。やっぱり、こんなに大きかったかね。