Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

もくねじ

もくねじ

海野 十三

Leggi もくねじ di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7546 caratteri · 16 schermate

Aozora Bunko

倉庫

ぼくほど不幸なものが、またと世の中にあろうか。

そんなことをいい出すと、ぜいたくなことをいうなと叱られそうである。しかし本当にぼくくらい不幸なものはないのである。

ぼくをちょいと見た者は、どこを押せばそんな嘆きの音が出るのかと怪しむだろう。身体はぴかぴか黄金色に光って、たいへんうつくしい。小さい子供なら、ぼくを金だと思うだろう。ぼくをよく知っている工場の人たちなら、それがたいへん質のいい真鍮であることを一目でいいあてる。実際ぼくの身体はぴかぴか光ってうつくしいのである。

ぼくは、或る工場に誕生すると、同じような形の仲間たちと一緒に、一つの函の中に詰めこまれ、しばらく暗がりの生活をしなければならなかった。その間ぼくは、うとうとと睡りつづけた。まだ出来たばかりで、身体の方々が痛い。それがなおるまで、ぼくは睡りつづけたのである。

それから数十日経って、ぼくは久しぶりに明るみへ出た。

そこは、倉庫の中であった。でっぷり肥えた中年の人間が――倉庫係のおじさんだ――ぼくたちのぎっしり詰まっているボール函を手にとって、蓋を明けたのだ。

「お前のいうのはこれだろう。