Classici giapponesi con furigana
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やんぬるかな
やんぬる哉
Leggi やんぬる哉 (やんぬるかな) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4608 caratteri · 9 schermate
何かと新しい創意工夫をするのです。おかげで僕なんかは、こんな時代でも衣食住に於いて何の不自由も感じないで暮して来ましたからね。物が足りない物が足りないと言って、闇の買いあさりに狂奔している人たちは、要するに、工夫が足りないのです。研究心が無いのです。このお隣りの畳屋にも東京から疎開して来ている家族がおりますけれども、そこの細君がこないだうちへやって来て、うちの細君と論戦しているのを私は陰で聞いて、いや、面白かったですよ。疎開人にはまた疎開人としての言いぶんがあるらしいんですね。その細君の言うには、田舎のお百姓さんが純朴だとか何とか、とんでもない話だ、お百姓さんほど恐ろしいものは無い。純朴な田舎の人たちに都会の成金どもがやたらに札びらを切って見せて堕落させたなんて言うけれども、それは、あべこべでしょう。都会から疎開して来た人はたいてい焼け出されの組で、それはもう焼かれてみなければわからないもので、ずいぶんの損害を受けているのです。それがまあ多少のゆかりをたよって田舎へ逃げて来て、何も悪い事をして逃げて来たわけでもないのに肩身を狭くして、何事も忍び、少しずつでも再出発の準備をしようと思っているのに、田舎の人たちは薄情なものです。