Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいかしや
ゆうれい貸屋
山本 周五郎
Leggi ゆうれい貸屋 (ゆうれいかしや) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.320 caratteri · 42 schermate
弥六はどうやらのぼせてきたようすで、へんにむきに坐りなおした。
「むろんこっちは本気なんだが、こちらてえのは具合が悪いなあ、おらあ弥六ってえ者だ、これからあ、そう呼んで貰えてえ」
「あらいやだ、女房が亭主の名を呼ぶ者があるかしら、御夫婦と定ればあなたアって呼ぶわ、そう呼ばせてくれるウ」
「うふふふふ、なんだかぞくぞくしてきやあがる」眼尻を下げてだらしなく笑い、「するってえと、おれはおめえをなんて呼べばいいんだ」
「おまえでもいいけれど、本名はお染っていうの、あたしお染って呼んで貰いたいわ」
「だっておめえ呼び棄てってわけにあいかねえやな」
「あたしが頼むんだからいいじゃないの、ねえ呼んでエ」
「そうか、それじゃあ、お、お染……さん」
「さんなんて付けちゃだめ、そしてもっときつく、お染ッて呼ぶの、ねえ呼んでみて」
「それじゃあ、その、お染ッ」
「ああ嬉しい、あなアたア、もういちど」
さしつ押えつ、蒲焼を肴に飲みだした。幽霊でも酔うものだろうか、お染の蒼い顔がいつかぽっと赤くなり、眼にうるみが出て、身のこなしがますます嬌めかしくなってきた。
「あなたア、あたし酔ったわア、酔ってもいいわね、堪忍してくれるわねッ、御夫婦のかための盃ですもの、そうでしょッ」