Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ゆうれいかしや
ゆうれい貸屋
山本 周五郎
Leggi ゆうれい貸屋 (ゆうれいかしや) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.320 caratteri · 42 schermate
「おめえ隙間から、出入りするじゃねえか」
「あたしは針の穴だってぬけられる、でも岡持だのなんだのはだめ、だってこういう物は、ゆうれいじゃないんですもの」
「なるほど、そういう理窟か」
「あらもうおつもりだわ」ゆう女のお染は徳利を置いた、「あたし一人で飲んじゃったのねえ、もう少し取って来ましょうか」
「おらあもういい、おらあ強かあねえんだ」
「じゃあ明日の晩として、……ねえ、あなたア、うふン、あたし酔っちゃったわよう、ねえエ、お床敷いてエ」
そして夜が明けた。
夜は明けたが、弥六の起きたのは午後であった。これは稀なことである。怠け者に似合わず彼は早起きだった。朝早く起きれば、一日ゆっくり怠けられる――というのが彼の存念であった。こんなに寝過したのは、生れて初めてだろう――弥六は起きて、ぼんやり部屋の中を眺めまわした。裏店のことで隙間だらけだから、外の光はむやみなくらい射し込んで来る。
「おっ、あるぜ、鰻も、酒も、岡持も」
弥六はそれらの物を、ついそこに認めた。
「するてえと、夢じゃあねえんだね」彼は頭を振り、ふと勝手口のほうへ向って呼んだ、「おめえいるか、おい、……お染」