Classici giapponesi con furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Leggi わが町 (わがまち) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.840 caratteri · 186 schermate
「なるほど、わたいは鋳物の職人です。しかし、お宅もやはり人の頭を刈る職人でっしゃろ。五分々々ですがな。それに、わたいはあのひとのお腹にいる子供の父親でっせ」
敬助は帰って、おたかに、仲人になった男に謝るようにと頼んだ。
「この歳になって、人様(ひとさん)に頭下げるのは、いやだっせ」
おたかはなかなか承知しなかった。
「そんなこと言うてる場合と場合がちがうがな。持子のお腹のこと考えてみイな」
口酸っぱく言われて、それでは謝ってみましょうと、おたかの腹がやっときまりかけた時に、幸か不幸か、持子の相手の男が盲腸をわずらって、ころっと死んでしまった。
おたかの髪の毛は真っ白になった。持子のお腹は目立って来る。
朝日軒一家は田辺の方へ引き越した。
「こんどのところは、郊外でんねん。家の前に川が流れていて、ほん景の良えとこでっせ。郊外住いもそう悪いことおまへんさかいな」
郊外という言葉がおたかの虚栄をわずかに満足させたのだった。
敬吉は田辺へ移ったのを機会に理髪業をよした。家へ人が出入りするのを避けるつもりもあったかも知れない。
そして、今では理髪店用の化粧品のブローカーをしているということだった。