Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わがせいしんのしゅうい

わが精神の周囲

坂口 安吾

Leggi わが精神の周囲 (わがせいしんのしゅうい) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.670 caratteri · 32 schermate

Aozora Bunko

「君はジン臓が悪いそうだから、やってもらえよ」

高橋はお灸がすきなのである。むかしジン臓を病んだことも事実であった。

「そうですね。じゃア、やってもらいましょう」

しかし老婆は、見るからに健康児童の高橋を病人とは見なかった。ちょッと背へ手を当てて、

「この人は、こゝにいる人たちの中では第一番に健康。私は診察せなんでも、一目見れば、アヽ、この人はどこが悪い、ピタリとわかる。この人は、こゝに弱点がある。この尾テイ骨、こゝのところへ温灸を当てなさい」

火の玉は灸をあてながら、

「この先生のお灸も大したものだが、又、足でふむアンマが独特な技法なんだよ。急所急所を足でふみつけて行くんだけれど、それだけで病気が治る人もあるよ」

「あとでサービスしてあげる。サービスしても、せなんでも、一人百円。人助けのためにしていることだから、難病が三日で治った、先生、ありがとう、こう云われゝば、胸がはれる。何百万円つんだとて、気のむかん時には、してはやらぬ。東京の人はひねくれておる。素直なところが欠けておる。これが何より治療にわるい。私の言う通り、される通り、ハイ、ハイ、云うとれば、どんな病気も治してあげる。