Classici giapponesi con furigana
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オリンポスのかじつ
オリンポスの果実
田中 英光
Leggi オリンポスの果実 (オリンポスのかじつ) di 田中 英光 (たなかひでみつ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.277 caratteri · 147 schermate
二人の相撲は力を入れ、むきになっている癖に、時々いかにもこそばゆいという風に身悶えしてキャッキャッと笑い興じていました。汗ばんで転がるたびに砂塗れになってゆく、上原の肉体も、額に髪が絡みついた顔も、だんだん紅潮してゆくに従って、筋肉の線に、膨らみもでて来て美しく、ぼく達でさえ些か色情的に悩ましさを覚えたほどです。しかし何時迄もみているのは莫迦々々しくなって、ぼくと柴山はその場をはずし、なんとなくそこらを散歩してから歩いて帰りました。
遅く夕方になってから戻ってきた上原が、その大学生の着ていたレザァコオトを貰ったりしているので、ぼくは人間の愛欲の複雑さがちらっと判った気がしました。
帰朝する前日でしたか、ロオタリイ倶楽部での、鐘ばかり鳴らしてはその度に立ったり坐ったりする学者ばかりのしかつめらしい招待会から帰ってくると、在留邦人の歓送会が、夕方から都ホテルであるとのことで、出迎えの自動車も来ていて、直ぐとんで行ったのでした。
男はタキシイド、女は紋服かイブニング・ドレスといった豪奢な宴会で、カルホルニア一流の邦人名士の御接待でした。ぼくの坐った卓子は、沢村、松山、虎さんとぼくの四人で、接待して下さる邦人のほうは、立派な御主人夫妻と上品なお祖母様、それに二十一になる美しいお嬢さんの御一家でした。