Classici giapponesi con furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Leggi ガラマサどん di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 99.079 caratteri · 202 schermate
熊野権次郎著では如何にも社員に頼んだようで、具合が悪い」
「自叙伝と仰有るからは、無論社長御自身の御著述でございます」
「いや、人に書かせたものを自分の名で発表する次第には行かない」
「しかし自叙伝でございます」
「それにしてもさ」
「ハッハヽ」
と松本さんが矛盾を認めて笑った。
「こら、何だ?」
と社長はむずかしい顔をした。
「はあ」
「自叙伝を人に頼むのが可笑しいのか?」
「いや、決して然うではございません」
「我輩は部下に本を書かせて自分のものゝような顔をする社長や頭取と違う」
「はあ」
と松本さんは可哀そうに首を垂れて只管恐縮していた。
「熊野君」
「はあ」
「雅号のないのに、我輩、どうしても感心出来ない」
「はあ」
「松本君、君は何う思う?」
と社長は不機嫌になっていた。
「それは無論号のある方が本式でございましょう」
「ございましょうではハッキリしない」
「ございます」
「熊野君、今も言った通り、熊野権次郎では文章家らしくない。素人に書いて貰ったと思われると、折角の自叙伝に権威がつかないから、君、一つ雅号をつけ給え」
「承知致しました」
「我輩が考えてやろうか?」
「何うぞ願います」