Classici giapponesi con furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Leggi ガラマサどん di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 99.079 caratteri · 202 schermate
「やあ」
と社長は間もなく現れた。
「昨日は頂戴物を仕りまして……」
と私は直ぐにお礼を申述べた。
「いや、何あに。真のお印だ。さあ、掛け給え」
「はあ」
「今日は忰が来ている。丁度好い都合だから紹介して置こう」
「何うぞ願います」
「忰の見た我輩ってのも材料になるだろうと思う」
「お話を願えれば、この上ございません」
「今来る」
「御長男さまでいらっしゃいますか?」
「うむ。時に熊野君、この間のを読んで見たよ」
と社長はデスクから私の原稿を取り出して、眼鏡を掛けた。
「如何でございましょうか?」
「大体結構だ。殊にこの『阿蘇の煙』というのは第一回の標題としては我が意を得ている」
「矢張り伝記でございますから、劈頭に御誕生が出ないと、何うも具合が悪いと存じまして」
「そんなことは構わんが、我輩の精神が幾分か現れている」
「大分苦心致しました」
「好い思いつきだよ。地方色も多少我輩の郷里を彷彿している」
「その辺も心掛けました」
「流石に餅は餅屋さんだと思った」
「恐れ入ります」
と私は謙遜して、
「これで宜しければ、直ぐ第二回へ移りましょうか?」
と伺いを立てた。もう及第の積りだったのである。