Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Leggi キャラコさん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.444 caratteri · 30 schermate
機才に富んだ、ふだんのキャラコさんのようでもない。どうしたものか、きょうはまるっきり気勢があがらない。なにか、もっと気のきいたことをいいたいのだが、のっけからひどく圧倒されてしまったので、気怯れがして、思うようなうまい言葉が舌について来ない。じぶんのいうことは、なにもかも平凡で、間がぬけていて、われながら気が滅入ってしまう。
緋裟子さんは、つづけ打ちといった工合に、
「……うるさい思いをするのはいやだから、あらかじめお断わりして置きますけど、あたし、このごろ女学校時代の友達になど、ひとりも逢っていないの。悦二郎にも、中橋の家のひとたちにも……。だから、そのひとたちのことをあたしにおたずねになっても無駄よ。まるっきり、なにも知らないのですから。……あたしにとっては、女学校も、同級生も、少女期も、悦二郎も、なにもかも、みな(しなびた花)よ。……あたしには、現在、じぶんが没頭している世界以外に人生はないの」
緋娑子さんが、小さな劇団へはいってなにかやっているということは、噂にきいて知っていた。緋裟子さんが、自分がすっかり変わってしまったというのは、どうやら、その辺のことを指すらしい。