Classici giapponesi con furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Leggi キャラコさん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.277 caratteri · 21 schermate
「お嬢さま、あなたは、ほとほと馬がお好きと見えまするの」
「ええ、大好きですわ。でも、こんな立派な馬を見るのははじめてよ。……なるほど、すこし跛をひくようですけど、そんなことは欠点にならないとおもいますわ。なによりだいじなのは、優しいということよ。……それはそうですわねえ、おじいさん。あなただって、そうお思いになるでしょう。いくら走るのが速くても、力があっても、意地悪ではとるところがありませんわ」
老人は、嬉しそうにうなずいて、
「はい、仰せのとおりなのでございまする。何がどうあろうと、情け知らずでは駄目でござります。けだものと人間が、ながねん連れそって暮らしてゆくには、お互いの親切がなくてはやってけんのでござります」
そして、皺の中へ眼をなくして、また、いとしそうに馬のほうへふりかえりながら、
「こいつはまァ、気のいい、ひと懐っこいやつではありまするが、ただひとつ困ったことは、喰べるものに気むずかしいことでござります。……それと申しますのも、あまり、甘やかしたせいでござりましょうなれど、乾草や藁などは見向きもいたしませぬ。……牧草でも、レッドトップならば匂いぐらいは嚊ぎまするが、チモーシとなれば、はやもう、鼻面も寄せん。