Classici giapponesi con furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Leggi キャラコさん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.277 caratteri · 21 schermate
なんとかして、この施物を受けとらせるうまい口実を探し出そうと思って、キャラコさんは、夢中になってあれこれとかんがえはじめる。
ともかく、老人は、すこしばかりいいすぎたようだ。今となっては、どうしたってこの長人参を受けとるわけにはゆくまい。
(長人参などときたら、くわえても見ようとしないのでござります)
そのひとことが、たいへんな重石になってしまった。老人は、自分の夢を語るのに一生懸命で、キャラコさんの腰骨のあたりからソッとのぞきだしている、目のつんだきれいな人参の葉っぱに気がつかなかった。それにさえ気がついていたら、こうまでひどく人参を軽蔑するようなことはしなかったであろう。
ああ、じっさい! キャラコさんのほうにしたってそうだ。こういう経過のあとで、この人参を受けとらせようとするのは、なかなかなまやさしいことではないのである。
水気の多い、見るさえ美味そうな、このひと束の人参!
歯のあいだで噛みしめたら、口のなかが清々しい匂いでいっぱいになってしまうにちがいない。シャリシャリいう、なんともいえない歯あたりと、どこか、すこしばかりピリッとした甘い漿液!